ハラルとハラムの違い|食べてはいけないもの完全リスト

ハラルとハラムの違い 食べてはいけないもの ハラルの基礎知識
この記事のポイント
  • ハラル=「許されたもの」、ハラム=「禁じられたもの」、マシュボーフ=「疑わしいもの」
  • Codex国際基準(CAC/GL 24-1997)に基づく禁止食品の完全リストを掲載
  • 豚は最も重い不浄物(アル=ムガッラザ)に分類、微量でもハラム
  • アルコール基準はインドネシアBPJPHでは0.5%がライン

ハラルとハラムとは?定義の違い

ハラル(Halal)とは、アラビア語で「許されたもの」を意味する言葉です。イスラム法(シャリーア)において許容される食品・製品・行為を指します。(2026年3月時点の情報です)

一方、ハラム(Haram)とは「禁じられたもの」を意味し、ムスリムが口にすることや使用することが許されていないものです。

さらに、ハラルでもハラムでもない「マシュボーフ(Mashbooh)」というカテゴリがあり、「疑わしいもの」を意味します。由来が不明確な食品添加物などがこれに該当します。

用語意味具体例
ハラル(Halal)許されたもの野菜、果物、魚、イスラム式にと殺された肉
ハラム(Haram)禁じられたもの豚肉、アルコール飲料、血液、死肉
マシュボーフ(Mashbooh)疑わしいもの由来不明のゼラチン、乳化剤、グリセリン

なお、イスラム法の基本的な考え方として、神が創造したものは原則としてハラルであり、例外的に禁止されているものがあるとされています。野菜、果物、穀物、魚類、水は原則としてハラルです。

ハラルの基本概念についてはこちらで詳しく解説しています。

ハラムの食品一覧|食べてはいけないもの完全リスト

ハラムの食品とは、イスラム法で明確に禁止されている食品のことです。Codex(国際食品規格委員会)のガイドラインCAC/GL 24-1997に基づく禁止食品を一覧にまとめました。

動物由来の禁止食品

カテゴリ具体例備考
豚・イノシシ豚肉、豚皮、ラード、豚骨スープ、豚由来ゼラチン派生物・加工品もすべてハラム
犬・蛇・猿犬肉、蛇肉、猿肉豚と同様に不浄物とされる
爪と牙を持つ肉食動物ライオン、トラ、クマ捕食性のある哺乳類全般
爪を持つ猛禽類ワシ、ハゲタカ捕食性のある鳥類全般
害虫ネズミ、ムカデ、サソリ—
水陸両生動物カエル、ワニ水中と陸上の両方で生活する動物
イスラム法に従わずにと殺された動物すべての食肉が対象「ビスミッラー」の唱えが必要

その他の禁止食品・飲料

カテゴリ詳細
血液動物の血液全般。血液を使った加工品(ブラッドソーセージ等)も含む
死肉と殺によらず自然死・事故死した動物の肉
アルコール飲料ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー等すべてのアルコール飲料

アルコールのハラル基準|国・学派による違い

アルコールのハラル基準とは、飲料と食品添加物で異なるルールが適用される判断基準のことです。飲料としてのアルコールは全面的にハラムですが、食品添加物としての微量アルコールについては国や学派によって判断が異なります。

区分判断根拠・備考
アルコール飲料全面ハラム全学派で一致
アルコール含有率0.5%以上の発酵飲料ハラムインドネシアBPJPH基準
アルコール含有率0.5%未満の発酵飲料ハラルインドネシアBPJPH基準
みりん(本みりん)ハラムアルコール約14%含有
料理酒ハラムアルコール約13%含有
醤油学派により異なる醸造過程で微量アルコールが発生
みりん風調味料ハラルアルコール不使用のため代替として使用可

ハラル対応の調理では、みりんの代わりに「みりん風調味料」(アルコール不使用タイプ)を使用するのが一般的です。

調味料のハラル対応について詳しくはこちら

豚がハラムな理由|ナジス(不浄物)の3分類

ナジス(不浄物)の分類とは、MS1500:2019(マレーシアのハラル食品規格)が定める汚染の重さに応じた3段階の分類のことです。豚は最も重い分類に位置付けられています。

分類名称対象浄化方法
重度アル=ムガッラザ犬・豚およびその子孫・派生物セルトゥ洗浄(7回水洗い、うち1回は土混じりの水)
中度アル=ムタワッシタ嘔吐物、膿、血液、酒類、死肉、排出物通常の洗浄(不浄物の痕跡がなくなるまで)
軽度アル=ムハッファファ母乳のみで育てられた2歳以下の男児の尿水をかけるのみ

豚は最も重い「アル=ムガッラザ」に分類されるため、微量の派生物でもハラムと判断されます。これは衛生上の理由ではなく、宗教的な教えに基づくものです。

食品メーカーが特に注意すべき豚由来成分は以下のとおりです。

  • ゼラチン:グミ、マシュマロ、ゼリーなどに使用
  • ラード(豚脂):揚げ油、パン、菓子類に使用
  • ショートニング:動物性脂肪由来の場合あり
  • L-システイン:パン生地改良剤。豚毛・人毛由来の場合あり
  • コラーゲン:健康食品、化粧品に使用
  • グリセリン:動物性脂肪由来の場合あり

ハラル対応で注意すべき原材料の完全リストはこちら

ハラルかどうか判断が難しい食品

判断が難しい食品とは、原材料や製造方法によってハラルにもハラムにもなり得る「マシュボーフ(疑わしいもの)」に該当する食品のことです。

食品注意点判断のポイント
ゼラチン豚由来はハラム牛由来・魚由来であればハラル。原材料表示を確認
チーズレンネット(凝乳酵素)が動物由来の場合あり微生物由来・植物由来のレンネットであればハラル
醤油発酵過程で微量アルコールが含まれる国・学派により判断が異なる。ハラル認証醤油も存在
グミ・マシュマロゼラチン使用品が多い植物由来ゼラチンや寒天使用品を選ぶ
パンショートニング・乳化剤の由来に注意植物性原料のみ使用のものを確認
みりん風調味料「本みりん」と混同注意アルコール1%未満の「みりん風」はハラル。本みりんはハラム

迷ったときは、ハラル認証マークのある製品を選ぶのが最も確実です。ハラル認証の仕組みと見分け方はこちらで解説しています。

よくある質問(FAQ)

魚や野菜はハラルですか?

はい。野菜、果物、穀物、水は原則としてハラルです。水中でのみ生存する魚介類もすべてハラルとされています。ただし、有毒な水生動物やカエル・ワニなどの水陸両生動物は除外されます。

ハラル食品はムスリム以外も食べられますか?

はい。ハラル食品は誰でも食べることができます。なお、Codex(国際食品規格委員会)のガイドラインでは、ハラル食品が栄養的に優れている、またはより健康的であるといった主張は認められていません。

ハラル認証がない食品はハラムですか?

認証がないことはハラムであることを意味しません。野菜や魚など、そもそも認証が不要な食品も多くあります。ハラル認証は主に加工食品や肉類で、ハラルであることを第三者が証明する仕組みです。

日本の食品で特に注意すべきものは?

日本食で特に注意が必要なのは、みりん・料理酒(アルコール含有)、豚骨スープ、ラード使用の菓子・パン、ゼラチン使用のグミ・ゼリーです。また、醤油は学派により判断が分かれます。

豚由来の成分はどうやって見分けますか?

日本の食品表示では「豚由来」と明記されていない場合もあります。ゼラチン、ショートニング、乳化剤、グリセリンなどは由来が不明確なことが多いため、ハラル認証マーク付き製品を選ぶか、メーカーに直接問い合わせるのが確実です。

まとめ

  • ハラルは「許されたもの」、ハラムは「禁じられたもの」、マシュボーフは「疑わしいもの」
  • 禁止されるのは主に豚、アルコール飲料、イスラム法に従わずにと殺された肉、血液、死肉
  • 豚は「最も重い不浄物(アル=ムガッラザ)」に分類され、微量の派生物でもハラムと判断される
  • アルコール基準は国・学派で異なる(インドネシアBPJPHは0.5%がライン)
  • 食品添加物(ゼラチン、乳化剤、ショートニング等)の由来確認が重要

ハラルの基本を理解したら、次はハラル認証の仕組みやインドネシアの義務化について確認しましょう。

参考文献