- 2026年10月17日にインドネシアで洗剤・シャンプー等の日用品のハラル認証が義務化される
- 2027年10月17日には衣料品・繊維製品にも義務化が拡大する
- 「肌に触れる製品」が主な対象で、豚由来成分や不適切なアルコールの使用が禁止される
- サラヤ株式会社は2014年にJAKIM認証を取得し、マレーシア工場で洗剤を製造している
ハラル認証が必要な日用品とは?
ハラル認証が必要な日用品とは、洗剤・シャンプー・歯磨き粉・石けんなど、日常的に肌や口に触れる製品のうち、イスラム法(シャリーア)の基準に適合しているかを認証する必要がある製品のことです。(2026年3月時点の情報です)
食品のハラル認証は広く知られていますが、日用品にもハラル認証が求められるようになっています。その理由は、洗剤やシャンプーに含まれる界面活性剤や保湿成分に動物由来の原材料が使用されるケースがあるためです。
具体的に対象となる主な日用品カテゴリは以下のとおりです。
| カテゴリ | 具体例 | 注意すべき成分 |
|---|---|---|
| 洗浄剤 | 食器用洗剤、洗濯用洗剤、住居用洗剤 | 動物性界面活性剤、豚由来脂肪酸 |
| パーソナルケア | シャンプー、コンディショナー、ボディソープ | 動物性ケラチン、豚由来コラーゲン |
| 口腔ケア | 歯磨き粉、マウスウォッシュ | 動物性グリセリン、アルコール |
| スキンケア | ハンドクリーム、日焼け止め | 豚由来ゼラチン、動物性乳化剤 |
これらの製品に含まれる原材料が豚由来であったり、イスラム法で不浄とされる方法で処理されたりしていないかが審査の対象となります。
インドネシアの義務化スケジュール
インドネシアの日用品ハラル認証義務化とは、インドネシア国内で流通するすべての日用品にハラル認証の取得を法的に義務づける制度のことです。ハラル製品保証法(JPH法)およびPP42/2024に基づき、品目ごとに段階的に施行されます。
| 施行日 | 対象品目 | 残り期間 |
|---|---|---|
| 2026年10月17日 | 化粧品、化学製品、日用品(洗剤・シャンプー・歯磨き粉等) | 約7ヶ月 |
| 2027年10月17日 | 衣類、頭飾り(ヒジャブ等)、アクセサリー関連グッズ | 約1年7ヶ月 |
| 2028年10月17日 | 家庭用医療品、家庭用機器、祈祷関連製品 | 約2年7ヶ月 |
日用品は化粧品と同じタイミングで義務化されます。インドネシアはムスリム人口約2億4千万人を擁する世界最大のイスラム教国であり、日用品市場も巨大です。義務化の全体像は「インドネシアのハラル認証義務化を徹底解説」で詳しく解説しています。
日用品のハラル認証要件
日用品のハラル認証要件とは、原材料・製造工程・保管・流通のすべてにおいてイスラム法に適合していることを証明するための基準のことです。
原材料に関する要件
日用品で特に注意が必要な原材料要件は以下のとおりです。
- 豚由来成分の完全排除:豚脂由来の界面活性剤、豚由来グリセリン、豚由来コラーゲン等の使用は禁止
- アルコールの取り扱い:酩酊を引き起こすエタノールの使用は制限される(消毒用など技術的に必要な場合は学派により判断が異なる)
- 動物由来成分のトレーサビリティ:動物由来成分を使用する場合は、ハラルと畜された動物由来であることの証明が必要
植物性・合成成分への代替が最も確実な対応策です。禁止成分の詳細は「ハラル化粧品の禁止成分リスト」でも解説しています(日用品と化粧品の禁止成分は共通点が多いため参考になります)。
製造施設に関する要件
PP42/2024に基づく製造施設の要件は以下のとおりです。
- 共用施設の条件:共用施設で製造する場合は、豚肉および豚由来物質を使用しないことが必須条件
- 交差汚染の防止:ハラル製品と非ハラル製品の製造ラインを分離するか、適切な洗浄手順を実施する
- セルトゥ洗浄:ナジス(不浄物)が付着した設備を使用する場合は、水と土で7回洗浄する「セルトゥ」が必要
- 保管の分離:ハラル製品と非ハラル製品の保管エリアを明確に分ける
工場の詳しい要件は「ハラル認証工場の要件」も参考にしてください。
衣料品・繊維製品のハラル認証
衣料品のハラル認証とは、衣類や繊維製品がイスラム法に適合した素材・加工方法で製造されていることを認証する制度のことです。インドネシアでは2027年10月17日に義務化されます。
衣料品で問題となるのは主に以下の点です。
| チェック項目 | 具体例 | 対応策 |
|---|---|---|
| 素材 | 豚革(ピッグスキン)の使用 | 牛革・合成皮革への切り替え |
| 染料・加工剤 | 動物由来の染料、豚由来ゼラチンの加工 | 植物性・合成染料の使用 |
| 縫製糸のコーティング | 動物性油脂によるコーティング | 植物性ワックスの使用 |
| ボタン・装飾品 | 豚骨由来のボタン | 樹脂・貝殻製ボタンの使用 |
衣料品は日用品より1年遅れで義務化されるため、まずは日用品のハラル認証取得を優先し、そのノウハウを衣料品に展開するのが効率的です。
適用される国際規格
日用品・衣料品のハラル認証に関連する主な国際規格は以下のとおりです。
- OIC/SMIIC 4:2018:イスラム協力機構(OIC)傘下のSMIICが策定した「ハラル化粧品 — 一般要件」。日用品のパーソナルケア製品にも適用される
- MS2634:2019:マレーシア規格。化粧品・パーソナルケア製品向けのハラル要件を規定
- MS2424:2019:マレーシア規格。医薬品向けハラル要件。口腔ケア製品など医薬部外品にも関連
輸出先国によって適用される規格が異なるため、対象国の認証機関に事前確認することが重要です。
日系企業の対応事例:サラヤ株式会社
日用品分野でハラル認証に先行して対応した日系企業として、サラヤ株式会社の事例があります。
- 2014年:マレーシアのJAKIM(イスラム開発庁)からハラル認証を取得
- 製造拠点:マレーシア工場で洗剤製品を製造
- 製品:植物性原料を中心とした洗剤ブランドを展開
サラヤのケースは、植物由来の原材料をベースに製品開発を行っていたため、ハラル認証への移行がスムーズだったとされています。既存の製品設計が植物性原料中心であれば、認証取得のハードルは大幅に下がります。
よくある質問(FAQ)
日用品のハラル認証はいつから義務化されますか?
インドネシアでは2026年10月17日から、洗剤・シャンプー・歯磨き粉等の日用品のハラル認証が義務化されます。化粧品と同じタイミングです。衣料品は2027年10月17日からとなります。
洗剤やシャンプーのどこにハラルの問題があるのですか?
洗剤やシャンプーに含まれる界面活性剤・乳化剤・保湿成分に豚由来の脂肪酸やグリセリンが使用されることがあります。これらをハラル適合の植物性・合成原材料に切り替える必要があります。
衣料品でハラル認証が必要なのはなぜですか?
衣類は肌に直接触れる製品であり、豚革(ピッグスキン)や豚由来の加工剤が使われている場合にイスラム法上の問題が生じます。インドネシアでは2027年10月17日から衣料品のハラル認証が義務化されます。
化粧品のハラル認証と日用品の認証は別に取得する必要がありますか?
製品カテゴリごとに認証申請が必要です。ただし、同じ工場で製造する化粧品と日用品は、製造施設の監査をまとめて受けられる場合があります。認証機関に確認してください。
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まとめ
日用品・衣料品のハラル認証は、食品や化粧品に続く新たな義務化対象として日本企業にも対応が求められています。
- 2026年10月17日に洗剤・シャンプー等の日用品が義務化、2027年10月17日に衣料品が続く
- 豚由来の界面活性剤・グリセリン等を植物性・合成原材料に切り替えることが基本対応
- サラヤ株式会社のように植物性原料ベースの製品設計であれば認証取得のハードルは低い
まず取り組むべきは、自社の日用品に含まれる原材料の棚卸しです。化粧品との共通点が多いため、化粧品のハラル認証を先行して取得し、そのノウハウを日用品・衣料品に展開するアプローチが効率的です。化粧品の認証については「化粧品のハラル認証ガイド」をご確認ください。


